「雨降って地固まる」 ~ある生徒の成長~

「雨降って地固まる」 ~ある生徒の成長~

この仕事していると、生徒の成績が上がる上がらないで一喜一憂している日常に覆われてしまうことが多い。学校テストや内申が上がった!という報告は、それはそれで嬉しいものだ。
しかし、これらを超える一番うれしいことは、生徒自身の成長を実感した時である。宿題すらやってこない本人と向き合い、激励したり褒めたりしながら、時には本気で怒り必要性を説いたり諭したり、それはそれは手間と労力、時間と熱量など途方もないエネルギーをかけてきたのである。もしかしたら、自分の子どもに対するそれを超えるものかもしれないとすら思う。であればこそ、その成長を垣間見た時の喜びはご理解いただけるのではないかと思う。
先日、そうした出来事があった。プライバシーの問題があるため詳細は控えるが、遅刻・欠席は当たり前、宿題の遂行もままならない。そもそもやり取りをするために多大な時間がかかり、一つの質問に返答があるまで2分以上かかることもあった。その度ごとに、許容したり話を聞いたり諭したり叱ったり思いの丈をぶつけたり、と種々のやり方でぶつかってきた。正直、いつまでこの葛藤が続くのだろうかと苦しんできた。私の対応の仕方が間違っているのかもしれないが、正直、この状況が続くのなら、私の方がまいってしまうかもしれないという不安すら抱くこともあった。
そんな生徒から、英語がかなり分かるようになってきた、ここからは自力で行けるような気がする、といった言葉が出てきたのだ。さらに、本来の目標としていたある受験に対して、それまでは後ろ向きだったのに非常に前向きな言葉が出てきたのである。「やったぁ~!」という言葉ではとてもとても表現しきれない感情が溢れ出てきてしまった。そこに至るまでの私の全ての葛藤が飛んで無くなってしまった瞬間だった。私がこの仕事にたずさわって26年。幾多の艱難辛苦の場面を経てきたが、その中でも一二を争う嬉しい場面だった。もう、彼はどんどん前に進んでいくだろう。もちろん、これからも安心安全な状況が続くわけではなくまた色々な「壁」にぶち当たるだろう。それでも今までの経験と成長を支えにして、また乗り越えていけるであろうと信じられるようになった。これは大きい。今までの色々な問題は、この瞬間のために必要だったのではないかとさえ思えた。正に、「雨降って地固まる」である。素晴らしい!成長してくれてありがとう!

こんなふうに、私たちは子どもたちと日々向き合いながら指導を行っています。私たちは塾ですので、学力や成績を上げることはもちろん大事ですが、それとともに子どもたちの「人間的な成長」を目指し、ひいては「自立」へと導いていくことを理念としています。その一端をご理解いただければ嬉しいです。

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